No.030定義だけで会議を終わらせる

テイギツツキ

一語を見つけると、その意味を延々とつつくキツツキ。言葉を明確にする作業は大切だが、決めたいことへ戻る穴が開かない。

「まず、その言葉を厳密に定義してください」

分類
定義啄木属 / 判断先延科
主な生息地
改善提案、日常の感想、言葉の精度だけが上がる会議
テイギツツキのイラスト
捕獲標本 No.030テイギツツキ定義啄木属 / 判断先延科

01 / 標本外見スケッチ

姿にまで出る、この癖。

🔍 標本スケッチ

くちばしが辞書のしおり。木には細かい穴が無数にあるが、巣はまだ完成しない。完成という言葉の定義を先に決めている。

02 / リアル遭遇シミュレーション

こんな返信欄、見たことある。

会話はすべて創作です。名前ではなく、やり取りの流れを観察してみてください。

SCENE 01同じ住所を四回入力するフォーム。

投稿者

住所の再入力を減らすと便利になると思います。

テイギツツキ

便利とは、誰にとって何を意味しますか?

投稿者

今回は、利用者が同じ住所を打つ回数が減ることです。

テイギツツキ

回数が少ないことが便利とは限りませんよね。

ここが、この生態。

最初の質問には意味がある。対象と指標を答えた後も決定へ進まず、言葉の一般論に戻ったところで木をつつく音になる。議題は便利さの哲学ではなく、この入力欄だ。

SCENE 02感想の一語に、辞書が着席する。

投稿者

この本、読みやすくて週末に一気に読んだ。

テイギツツキ

読みやすいとは、語彙、構文、内容理解のどれを指していますか?

投稿者

今回は、話を追いやすかったという感想です。

テイギツツキ

追いやすいの基準も、まだ曖昧ですよね。

ここが、この生態。

感想を理解するための確認が、確認する語を増やす作業へ。読み終わった本より、定義の続きが長い。

03 / 生態あるある

つい見入ってしまう、三つの癖。

  1. 日常語へ入場審査

    「入力が面倒」に「面倒とは何か」。四回ある入力を一回にしたい話が、感情の定義から始まる。

  2. 仮の定義も受け取らない

    範囲を示しても例外を追加する。実用上の合意より、完全に穴のない辞書を目指す。

  3. 時間切れを曖昧さのせいにする

    判断まで進まなかった理由は「最初の説明が曖昧」。作業時間を全部使った鳥は、木の陰にいる。

04 / 見分けどころ・ひと呼吸

似ている話と、ここが違う。

見分けどころ契約や仕様など、定義が重要な場もある。今回の判断に必要な精度か、仮の合意を置いて前進できるかを見る。

「辞書を完成させなくても、入力欄は一つ減らせる。」

厳密な質問をされると、自分の説明が全部足りない気になる。必要な範囲を決めたら、提案の効果を小さく試す方が分かることもある。

観察が済んだら、あなたの時間へ。

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